いつもの坂道が違って見えた

矢田です。

 大学から若宮大通りを歩いて白川公園に行く途中、江川線名駅南三丁目の交差点を渡ると、堀川に架かる新洲崎橋まで、短いながらもなだらかな坂道が続きます。

 その坂道をいくら足早に歩いてみても、橋の手前で必ず信号にひっかかります。かといって、走ってのぼるのは年齢的にもきつく、歩きながらいつもこの坂道を疎ましく感じていました。

 そんなある日のこと、堀川は熱田台地の西側の縁に沿って掘られているので、海抜2mに満たないさらにその西側の平地から堀川を渡ろうとすると、ほぼどの地点からでも必ず坂道をのぼることになると、同僚の古川さんが名古屋市街の標高地形図を示しながら教えてくれました。

 それ以来、平地と台地との高低差を今まさに自らの足で感じ取ってるのだと思うと、この坂道をのぼるのが楽しくなりました。いつも疎ましく感じていたあの坂道が、新しい知識を一つ得たことで、ちょっとした喜びをもたらしてくれる好ましい存在となりました。