フランコフォニーって?

こんにちは、フランス語入門とフランス語演習を担当している関未玲です。おもに必修の未修外国語クラスを受け持っているので、フランス語を履修されている1年生の皆さんとは毎週授業でお会いしていますね。

フランス語と言えばもちろんフランス、パリを思い浮かべられる方が大半だと思います。昨年は世界に激震が走った大規模なテロが起こり、芸術の都、ファッションの街といった、これまで抱いていたパリに対するイメージも一新せざるを得なくなりました。しかし、フランス語はフランスのみならず、世界5大陸で母国語あるいは公用語として話されています。ヨーロッパでは、フランスのほかに、スイス、ベルギーにフランス語話者がいますし、旧フランス植民地である、北アフリカ、西アフリカ、中央アフリカでは、各国で異なる言語が話されているために共通語としてフランス語が用いられています。また、カナダのケベック州では16世紀の入植以来フランス語が使用され、北米に位置しながらもフランス語とフランス文化が今なお守られています。このほか旧インドシナ(現ベトナム)、カリブ海に浮かぶマルティニーク、オーストラリア東方にあるニューカレドニアなど、多くの国や地域で話されています。

フランス語母語者でなくとも、フランス語を読み書きできる人なら誰もがフランコフォンと呼ばれていることを、ご存じでしたか?現在ではフランコフォンの連帯を目的としたフランコフォニー(フランス語圏の総称)の催しものが世界各地で開催され、フランス語を通した文化交流の機会が飛躍的に増加しています。
ここ日本にいてもフランス語を読み書きする能力が身につけば当然フランコフォンと呼ばれ、皆さんもフランコフォニーの仲間としてフランス語圏の国々が開催するさまざまなイベントに迎え入れられます。既存の団体や機関とは異なり、フランコフォニーは文化的、博愛的、人権的思想に基づいてセネガル初代大統領で詩人でもあったサンゴールによって提唱された連帯です。ぜひ、この21世紀的なつながりの輪に入ってみませんか?
フランス語は2年生からでも選択外国語として履修が可能です。皆さんの好奇心をお待ちしています!

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2016年6月、20世紀フランス人女性作家マルグリット・デュラスを研究対象とする国際学会(@シドニー)にて、様々な国籍の研究者がフランス文学の研究会に集う