会計ファイナンス学科の冨村です。
今回は私が担当している講義の1コマを紹介したいと思います。
ここで質問です。日本経済にはどれくらいの数の企業(事業体)が存在すると思いますか?.....おおよそ360万者(2016年時点)あるとされています。そのうち、なんと!中小企業が99.7%を占めています。我々が日常的に見聞きする大企業は1%にも満たないのが実情なのですね。つまり、日本経済を足下から支えているのは中小企業と言っても過言ではないのです。
では、その中小企業が抱えている経営課題として何があると思いますか?近年では、跡取り不足による「事業承継」の問題が懸念されていますが、「資金調達」に関する問題も多くの中小企業経営者を悩ませているとされています。その為、これまでも多くの施策がとられてきましたが、その内の一つとして、今回紹介する「信用保証制度」があります。
「信用保証制度」は、信用保証協会が公的な保証人になることで、中小企業等の資金繰りを円滑にするといった重要な役割を果たしているのですが、体系的に勉強する機会がないのが実情かと思われます。そこで、私の講義では愛知県信用保証協会の方を外部講師として招き、信用保証制度の概要や機能について講義を賜っています。
この出前講義は、私が転任一年目から続けているので11年目になりますが、今回講師を務めてくれたのが、私のゼミOBのS君でした。実は、S君もこの出前講義を聴講したことをきっかけに信用保証制度に興味を持ち、愛知県信用保証協会に就職をしました。
その彼が、自身の就職のきっかけとなった講義で講師を務める。社会に揉まれ、たくましくなったゼミOBを見ることができたのは、非常に嬉しいことでした。
私の講義では、このように研究活動を通して得られた僥倖を、学生にフィードバックするように努めています。大学の講義は開かれたものです。学生の皆さんも、少し心の持ちようを変えるだけで、多くの発見、知的な刺激を得られるかもしれませんよ。
春学期も残り少なくなってきました。コロナ対策・暑さ対策を十分に行い、出来ることをやっていきましょう。