古川です
新年明けましておめでとうございます。
地球科学が専門の私は、昨年末に山陰海岸の地質調査を行いました。山陰海岸には、1700万年ほど前に海で堆積した地層を観察することができます。
寒い山陰の砂浜を、年末に一人で歩くと、極めてさみしくなります。
海苔を集める方々の横で、地層を観察します。
「何やってんの?」「この周辺の地質調査させてもらってます〜。」というやりとりの連続です。
この地層を観察すれば、当時、周辺で爆発的な火山噴火があり、火山灰が頻繁に河川で流されていたことがわかります。火山灰が河川に入らないときには、泥がたくさん流されていました。河川で流された火山灰は、浅い海の底をえぐるように流れていました。その流れの方向は、北から南だったことまでわかります。つまり地質調査をすると、太古のこの場所がどんな環境だったかを知ることができます。
この茶色の塊は、木の化石(珪化木)です。河川の上流には森林地帯があり、倒木が流されていたこともわかります。植物学者が観察して木の種類がわかれば、当時の気候も知ることができます。
干潮にしか調査ができない場所がほとんどなので、潮のチェックは必須です。
あとは、岩場を歩いたり、崖に登りながらの移動なので、最低限の運動神経は必要ですね。
黒曜石の塊を発見しました。河川の上流から流されてきたのでしょう。つまり、当時の陸地で起きていた火山噴火の種類まで復元することができます。
この黒曜石をサンプリングして、一昨日、実験室で切断していたら指を切りました。最近にないくらい深い傷で、血を止めるのに時間がかかりました。
新年早々に流血騒動。保健室に新年の挨拶に行きました。
今年もよろしくお願いします。
受験生の皆さんは勉強がんばってね。